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『自己紹介をしてください』


この質問は、面接の初めに聞かれることが多い、最も基本的な質問です。
自分がどのような人物かを、1分程度で簡単かつ具体的に答える必要があります。
また、場合によっては、「3分で自己紹介をお願いします」というように回答の時間を指定されることがあります。

3分を超える時間を指定されることはほとんどありませんので、1分、2分、3分のバージョンをあらかじめ用意しておくと良いでしょう。
面接前に、時間を計りながら実際に口に出して練習し、きちんと時間感覚を身に付けておきましょう。


■この質問の意図は?

応募者の名前や経歴等、自己紹介で話すべき内容は、ほとんどすべて、履歴書や職務経歴書に書かれています。
それにも関わらず、自己紹介を求められるのには、理由があります。

それは、自己紹介を通して、その応募者の印象を直感的に決めるためです。
人の直観や、第一印象というものは、案外当たっていることが多いと感じたことはありませんか?

人は、「好感が持てる」「暗そう」「感じが悪い」といった『何となく』感じる直観的な印象を信じる傾向にあります。
従って、履歴書や職務経歴書だけではわからない、その応募者の第一印象を直感的に決めるために、この質問をします。

また、応募者が多数いる場合や面接官が多忙な場合など、面接官が履歴書等に目を通しきれておらず、面接時に応募者を把握できていない場合もあります。
この場合、面接官は履歴書等に目を通しながら自己紹介を聞き、その後の質問内容を考えていますので、自己紹介の中に深く掘り下げて聞いて欲しい内容を盛り込んでおくと良いでしょう。


■自己紹介と自己PRの違い

多くの人が、自己紹介と自己PRの違いをあまりわかっていません。
この2つの違いは、自己紹介が主に氏名や職歴などの客観的な事実を述べるのに対し、自己PRはその事実に裏付けされたアピールポイントを述べるということです。

もっとわかりやすくいうと、自己紹介は、本の目次やあらすじのようなもので、自己PRはその本の中の一つの章のようなものです。

「自己紹介をしてください」と言われて、自己PRを始めてしまうということは、例えば、ある本の「あらすじを教えてほしい」と言ったのに、いきなり本文を読み上げ始めるのと同じようなものです。

つまり、自己紹介では、氏名や経歴、志望動機や自己PRを含めた大枠を、要点をまとめて簡単に答えます。
あくまでも、客観的に見て自分がどういう人物かを紹介する場面ですので、詳しい志望動機や自己PRまでは言及しないでおきましょう。

ただし、場合によっては、「自己PRを兼ねて自己紹介をしてください」と言われることもあります。
このような場合は、経歴等の説明はより簡潔に済ませ、自己PRに重点を置いて答えるようにしてください。

また、応募者の人物像が、その企業の求める人材とマッチしていなければ、採用されることはほぼありません。
従って、客観的事実を述べる「自己紹介」であっても、自分が求める人物像と一致しているということのアピールを忘れてはいけません。


■具体的に、何を答えれば良い?

この質問で最も重要なのは、自分がどのような人物なのかを、正しく簡潔に答えることです。
加えて、明るく誠実な態度で、ハキハキと話すことにより、良い第一印象を植え付けることを意識しましょう。

プライベートな自己紹介とは違いますので、出生地や趣味など、仕事に関係のない話をしてはいけません。
面接官に専門知識があるとは限らないので、経歴を説明するときに専門用語を多用することはなるべく避けましょう。

自己紹介の流れは、次のようになります。

【自己紹介の流れ】
 (①②⑤は必須、③④は時間を見ながら適度に省略可能)
 ①氏名・挨拶
 ②経歴の概要
 ③取り組みや成果、スキル等(簡単な自己PR)
 ④志望動機と今後挑戦したいこと
 ⑤締めの言葉

具体的な自己紹介の内容を説明します。

①氏名・挨拶
フルネームをはっきりと言います。
面接の最初に挨拶をする機会がなかった場合は、ここで「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます」といった挨拶の一言を入れてもよいでしょう。

②経歴の概要
在籍していた会社名と部署、所属年数や簡単な業務内容を言います。
第二新卒や若年層等、職歴が少ない場合は、学歴(学部や専攻等)を含めて答えましょう。
転職回数が多く、職歴が多い人は適度にまとめて省略し、冗長にならないよう、メリハリをつけて話すようにしましょう。

③取り組みや成果、スキル等(簡単な自己PR)
後で自己PRを聞かれることが多いので、ここでは簡潔に答えます。

④志望動機や今後挑戦したいこと
なぜ応募したのか、自分がなぜ求人にマッチしているかを簡潔に説明します。

⑤締めの言葉
どこで終わったのかを明確にする必要があるため、最後に「よろしくお願いします」といった一文で締めくくります。

具体的な回答例は、次のようになります。

「○○○○(フルネーム)と申します。
私は、○年に○○大学を卒業後、株式会社○○で○年間、営業事務に携わってまいりました。
その後、△年に現在在籍している株式会社△△に転職し、現在に至るまで△年間、主力製品である●●の法人向け営業を担当しております。
現在、私が所属している部署は、ルート営業ではなく、新規開拓がメインの部署ですが、的を絞って潜在顧客のニーズを分析し、その顧客に合った提案をするという手法で、○年に部署で一位の営業成績を収め、社長賞を受賞いたしました。
今後は、これまで培ってきた営業の経験を生かし、マーケティング部門で、顧客が真に求める商品を知り、それを提案することに挑戦していきたいと思い、御社の求人に応募させていただきました。
本日はどうぞよろしくお願い致します」

以上、『自己紹介をしてください』でした。


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